〜マーケティングの基礎を知ることで、プロセスを学ぶ〜

第5話 マーケティング基礎

 

マーケティングとは?

2020年12月更新】マーケティングオートメーション(MA)とは? 効果、特長...基礎知識を解説! | Urumo!

一般的には、新商品の企画を作成したり、顧客のリサーチをしたり、プロモーションをすることなどを思い浮かべる人もいるかもしれません。
それもマーケティング活動の一部ですが、近年のマーケティングの定義では、もっと広い概念となっています。

 

マーケティングの定義にはさまざまなものがありますが、一言で表せば「売れる仕組みづくり」と言えるでしょう。
つまり、どうすれば顧客ニーズを満たすことができるかを考えて、そのための商品やサービスを作り出し、顧客に価値を届ける一連のプロセスがマーケティングです。

 

マーケティングは、販売、すなわちセリングとは異なります
セリングは、商品があるのが前提で、その商品を営業活動により顧客に販売することです。
それに対してマーケティングとは、まず顧客がどんなニーズを持っているのかを調査することで商品やサービスを作り出し、顧客とのコミュニケーションを通じて商品を知ってもらい、顧客が満足する価値交換を成立させることです。

 

マーケティング論で有名なコトラーは、「マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的、管理的プロセスである」と述べています。
少し難しいですが、ポイントは、「価値の創造と交換」ということと、「ニーズと欲求を満たすプロセス」であると言うことです。

 

また、AMA(米国マーケティング協会)が2007年に改訂したマーケティングの定義では、「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造、伝達、配達、交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。」としています。

 

補足ですが、もう少し簡単なマーケティングの定義としては、ドラッカーが述べている「マーケティングの究極の目標は、セリングを不要にすることである」や、レビットが述べている「マーケティングとは、顧客の創造である」と言うものもあります。

 

これらの定義を見ると、「売れる仕組みづくり」という雰囲気が伝わってくると思います。また、マーケティングは経営にとって非常に重要であることがわかります。

 

このように、近年ではマーケティングが幅広い概念になっていますが、元からそうだったわけではなく、以前は限定されたコンセプトでした。

 

マーケティングコンセプトの発展

生産志向
マーケティングの概念は米国で生まれましたが、最初のコンセプトは生産志向です。
これは、20世紀初頭の米国で生まれました。
この時代は、自動産業においてフォードが大量生産の仕組みを導入し始めた頃です。
モノが不足しており、作れば作るだけ売れる時代だったため、生産効率を向上させることが経営のテーマとなりました。
生産志向は、需要が供給を上回っている場合の考え方です。

 

製品志向
次の時代のコンセプトは、製品志向です。
生産性が高まってくると供給が需要に追いついてきます。
そうなると、より良い製品を作り、改良することで顧客に買ってもらおうとする精神志向のコンセプトが出てきました。
製品志向では、顧客のニーズはあまり考えずに、良い製品であれば買ってくれるはずだと言う考え方です。

この考え方は、生産志向よりは進歩したとは言えますが、一歩間違えると
顧客のニーズとはかけ離れた製品を開発してしまう恐れがあります
企業戦略の講座でも学習しましたが、このように顧客の視点がない状態をマーケティング・マイオピア(近視眼)と呼びます。

 

販売志向
次の時代のコンセプトは販売志向です。
大量生産が可能になると、企業は過剰在庫を抱えるようになりました。
そうなると、製品をいかに販売するかを重視する販売志向のコンセプトが出てきました。
販売志向では、いかに効率的に販売するかがテーマです。
つまり、セリングを重視する考え方です。
しかし、一歩間違えると、顧客のニーズを無視して、押し売りのような販売方法が横行することが問題点でした。

 

顧客志向(マーケティング志向)
次のコンセプトは、顧客志向、別名マーケティング志向です。
顧客志向は、モノが溢れてきて供給が需要を上回る成熟市場におけるコンセプトです。
顧客志向は、顧客のニーズを探り、顧客満足を満たす製品を提供していこうという考え方です。
販売指向が製品を売り捌くプロダクト・アウトと呼ばれるのに対し、顧客志向は、顧客ニーズから入るマーケット・インであると呼ばれます。
顧客志向は、現代のように成熟市場では、主流になっているマーケティング・コンセプトです

 

社会志向
更に、次のコンセプトとして社会志向というものがあります。
社会思考は顧客満足だけでなく、社会全体に対する責任や貢献を果たしていこうとする考え方です。
企業も社会の一員として、企業の利益と顧客満足及び、社会の利益を調和させていくのが社会志向です。

 

マーケティング・リサーチのプロセス

マーケティングに必要な情報を収集するための方法として、マーケティング・リサーチがあります。
マーケティング・リサーチでは、計画的にマーケティングに必要な情報を収集します。

 

マーケティングリサーチのプロセス
マーケティング・リサーチの手順では、最初に調査の目的を決定します。
ここでは、どんな課題や問題があるかや、そのためにどのようなデータが必要なのかを明確にします。

 

例えば、自社の商品から他社の商品への乗り換えが多くなっている場合に、どのような消費者が乗り換えしているのかや、なぜ乗り換えするのかというデータを調査することで、製品の改善や新製品の開発に生かすことができます。
このように、調査の目的を始めに決定することが重要です。

 

また、マーケティングリサーチを実施する場合には、費用と時間がかかることを注意する必要があります。
そのため、事前に入手できる公開されているデータを利用できるかを検討します。

このような公開されているデータのことを2次データと呼びます。
2次データは、国が実施している各種統計やリサーチ会社、コンサルティング会社などが提供しているものがあります。
最近では、インターネットでも様々な情報が入手できます。

 

本格的に調査する前に、このような2次データを収集し分析しておくことは、マーケティング・リサーチの精度を上げるためにも役に立ちます。

 

次に、マーケティング・リサーチの本調査を行い、1次データを入手します。
1次データは、マーケティング・リサーチによって入手するデータです。
本調査では、まず、データ収集方法などの計画を作成します。
次に、リサーチを行いデータを収集します。
さらにデータを収集し、分析します。
そして、最後に、集計したデータから結論を導き出します。

 

データ収集方法

面接法
面接法は、調査員が調査対象者に直接面接して質問する方法です。
メリットは、相手の反応に合わせた質問が可能なのと、回答率が高くなることです。
デメリットは、1人ずつ面接するため、コストがかかるや、調査員によって偏りが生じるということです。

・集団面接法
集団面接法は、面接方の一種ですが、複数の調査対象者を集めて面接を行う方法です。
集団面接法はグループ・インタビューとも呼ばれます。

その他にも….

 

・電話法

・郵送法

・留置法

・観察法

・実験法

・インターネット調査法

などがあり、副業や個人事業に特に関わりが深く、今の時代に最も効果的なのはインターネット調査法です。

インターネット調査法は、名前の通りインターネットを使って調査する方法ですが、いまは様々なプラットフォームで調査ができるため、1番効果的なマーケティング・リサーチの方法と言えるでしょう。
ちなみにLINEもその中の1つです。

そして実験法とは、マーケティングに関するある要因を変化させることで、どのような影響があるかを調査する方法です。
例えば、店舗の中で、陳列方法や場所を変えてみて、売上の影響を調査するような場合です。

 

このようにマーケティング・リサーチ方法は沢山あります。
マーケティング・リサーチでが、目的を明確化して収集方法を選択することと、調査結果がどれぐらい正しいかという妥当性に注意する必要があります。

 

購買意思決定のプロセス

消費者の購買行動のプロセスを、5段階で考えています。
そのプロセスは、「問題認知」「情報探索」「代替品評価」「購買決定」「購買後の行動」です。

・問題認知
消費者が何かが必要だという問題を認知すること。

・情報探索
ニーズを満たすものを得るために、様々な情報を得る段階。

・代替品評価
情報収集によって購入する商品の候補、つまり代替品を評価する段階。

・購買決定
代替品のうち最も高い評価を得たものが購入される。

・購入後の行動
消費者は購入する前に商品に対して期待を抱いていますが、その期待に合致すれば満足を得ます。
期待に合致しなかった場合には不満足となります。
こういった購買後の評価は、次の購買に影響します。

また、一般的に消費者は購入した後に不満足間や買ってよかったのかという不安感を感じることが多いと言われています。
このような状態を認知的不調和と呼びます。
人は認知的不調和が発生した場合は、それを解消させようとする傾向があります。

 

例えば、ある人が自動車を購入した直後に、別のメーカーから新しい魅力的なモデルが開発されたとします。
その人は、もう少し待てばよかったと後悔するかもしれません。
この状態が認知的不調和です。
しかし、この状態はその人にとって辛い状態なので、新しいモデルの欠点を見つけて自分の選択が正しかったと納得させようとします。

 

※近年では、インターネットの普及により、購買後に情報を共有する動きが顕著になってきました。
例えば、食事をした飲食店についてのコメントをブログなどに載せ、それがクチコミとして、次の購入者の購買行動に大きく影響するような動きです。
このように近年では購買後の評価や行動が、より重要です。

 

 

第6話の 次回予告

標的市場の選定

〜売上を最大化するターゲット・マーケティング〜