第3話 経営資源と競争優位戦略アプローチ
まず、前回の振り返りから行いましょう。
前回は2つの戦略アプローチを見てきましたが、どちらのアプローチをとる場合でも、経営資源が必要です。
ポジショニングベース型では、先にポジショニングを決めて、次に、その実現に必要な資源を考えるという順序で戦略を作成します。
リソースベース型では、経営資源自体が競争優位の源泉です。
どちらのアプローチでも経営資源は戦略を考えるうえで大切です。
経営資源とは?
経営資源には多種多様なものがあります。
例えば、「ヒト」「モノ」「カネ」といった有形のものもありますし、
「技術力」や「知的財産」「ノウハウ」「ブランド」「信用」「顧客情報」といった無形のものもあります。
そして、リソースベース型においては特に経営資源で競争優位を築いていくことが重要です。
ポジショニングベース型においても、競争優位を築いていける経営資源があると、更なる差別化に繋がるでしょう。
競争優位をもたらす経営資源とは何か?
どのような経営資源が競争優位につながるんでしょうか?
『VRIO分析』というフレームワークで持続的な競争優位を築いていくことができると生理されています。
VRIOとは4つの要件の頭文字を並べたものです。
・経済的価値 Value(その経営資源が経済的価値を生み出すか?)
・希少性 Rarity(その経営資源は希少性があるか?)
・模倣困難性 Inimitability(その経営資源は真似されにくいか?)
・組織能力 Organization(その経営資源を生かすための組織・体制があるか?)
この4つの要件を満たした経営資源を持つことは持続的な競争優位につながります。
これをVRIO分析と言います。
ここで特に重要なのは【模倣困難性】です。
つまり、競合が簡単に真似したり入手したりできないことです。
「ヒト」「モノ」「カネ」といった有形資産は、経済的価値はあっても、希少性が低く模倣(真似する)が簡単です。
競合がカネで買えるものは、持続的な競争優位になりにくいといえます。
一方、「ノウハウ」や「技術力」「ブランド」「顧客の信用」といった無形資産は、希少性が高く、模倣がされにくいため、組織的にこういった経営資源を蓄積・活用していけば持続的な競争優位を築くことができます。
実践ワーク
〜SWOT分析からのVRIO分析〜
①いまの外部環境においても経済的価値があるか?(SWOT分析)
②希少性、模倣困難性、組織性の分析(VRIO分析)
これらを定期的に分析する必要がある。
●VRIOフレームワーク4つの問いかけ
あなたの商品は?
第1段階
経済的価値はあるか?
〜競争均衡状態〜
第2段階
希少性はあるか?
〜一時的競争優位〜
第3段階
模倣困難制はあるか?
〜持続的競争優位〜
第4段階
組織性はあるか?
〜競争優位最大化〜
第4段階までクリアすることができれば競争優位は最大となります。
この第4段階までクリアできたとしても、外部環境は別問題です。
外部環境の変化に十分に気をつけながら、SWOT分析を定期的に行うなどして、外部環境の変化に対応していきましょう。
ドメインの定義
〜経営資源を一点集中することで結果を最大化する〜