〜プロモーション戦略〜

第9話 プロモーション・応用マーケティング

 

プロモーションとは?

 

前回までの講座で、顧客のニーズを満たす製品戦略、価値の基準となる価格戦略、顧客に製品を届けるチャネル戦略を見てきました。

しかし、これだけではまだ十分ではありません。
それは、顧客に製品や、製品が提供する価値を知ってもらい、購入というアクションをとってもらわなければいけません。

プロモーションとは、顧客や流通業者に対して情報伝達を行うことで、購入を促進することです。

 

マーケティングコミュニケーション

 

プロモーションでは、情報をどのように伝えるかということを扱います。
これをマーケティングコミュニケーションといいます。

マーケティングコミュニケーションは、情報の送り手から、メッセージを受け手に届けるプロセスです。

 

プロモーションミックス

 

プロモーションでは、様々な手段によって情報を伝達します。
大きく分けて4つの手段があります。

その手段とは、『広告』『パブリシティ』『人的販売』『販売促進』です。

これらを目的に合わせて適切に組み合わせていくことが重要です。
この組み合わせのことを、プロモーションミックスと呼びます。

プロモーションミックスは、大きくプル戦略プッシュ戦略に分けられます。

プル戦略とは、消費者の需要を喚起する戦略です。
つまり、消費者が自らお店に足を運んだり、自ら製品を購入するように導くことです。
プル戦略の手段には、『広告』『パブリシティ』が挙げられます。

プル戦略とは、製品を売り込んでいく戦略です。
つまり、背極的に消費者に対して製品を売り込むことで製品を購入してもらうことです。
プッシュ戦略の手段には、『人的販売』『販売促進』があります。

このようにプロモーションには、プル戦略プッシュ戦略がありますが、どれか1つを実行するのではなく、適切ん組み合わせることで効果的なプロモーションが可能になります。
その際には、製品の特性や、競合状況、流通の状況などを考慮に入れることが必要です。

 

 

広告

 

広告は先ほどお伝えしたようにプロモーションミックスの中ではプル戦略に分類されます。

広告はテレビや雑誌などの媒体を使って消費者に情報を伝達する手段です。
広告は通常は有料となります。

広告は、対象によって消費者広告、産業広告、流通広告に分類されます。

消費者広告は、自らの消費のために購入する人に対する広告です。

産業広告は、産業財や業務目的で購入する法人などに対する広告です。

流通広告は、メーカーや卸や小売などの流通業者に対して行う広告です。

 

個人でやっている方が多いと思うので、ここでは消費者広告を中心にお話ししていきます。

 

次は広告を掲載するまでのプロセスです。

広告開発プロセス

  1. 広告目標
  2. 広告予算
  3. メッセージ開発
  4. 広告媒体の選択
    ・マスコミ広告
    ・SP広告
  5. 広告の評価

 

①広告目標
まず最初に広告目標を設定します。
広告は、マーケティング戦略の一部として行うため、マーケティング上の目標と整合性が取れている必要があります。
例えば、製品の認知度を高めるのか、競合からのブランドスイッチを狙うのかなど、マーケティング戦略の違いによって広告の目標も変わってきます。

 

②広告予算
次に、広告予算を設定します。
広告予算の設定方法には幾つかの種類があります。
売上高比率法は、売上高予算の一定の割合を広告予算とする方法です。
支出可能予算法は、どれくらいまで広告に支出できるかによって広告予算を設定する方法です。
競合企業対抗法は、競合企業の広告予算を推定して、それに対応する予算を設定する方法です。
タスク法は、広告目標を達成するために必要な広告量を見積もり、それに必要な予算を設定する方法です。

 

③メッセージ開発
広告予算を設定したら、次にメッセージ開発をします。

メッセージ開発では、消費者の興味を喚起できるか、競合から差別化されているか、メッセージに信頼性があるかなどを考慮して、メッセージを決定していきます。

この時、最初に複数のメッセージの代替案を作成し、各代替案を評価した上で、最終的なメッセージを選択します。

 

④広告媒体の選択
メッセージ開発をしたら、次に広告の媒体を選択します。

媒体には様々な種類がありますが、それぞれのメリットとデメリットがありますので、目的に合わせた媒体を選択する必要があります。

媒体の種類は大きく分けてマスコミの4媒体と、それ以外のSP広告に分類されます。
SP広告は、セールスプロモーション広告の略で、マスコミ以外の媒体を指します。

◇マスコミ広告

  • 新聞広告
  • テレビ広告
  • ラジオ広告
  • 雑誌広告

 

◇SP広告

  • ダイレクトメール広告《個人ビジネスオススメ★★☆
    企業が消費者に直接メッセージを届ける手段です。
    メリットは、対象の選択ができること、消費者に個別に対応できることです。
    デメリットは、比較的コストがかかることと、くずかごに捨てられてしまうイメージがあることです。
  • 屋外広告《個人ビジネスオススメ★☆☆
    屋外広告はb、看板やネオンなどによる広告です。
    メリットは、コストが安く、反復的に露出できることです。
    デメリットは、対象の選別ができないことと、広告の表現力に限界があることです。
  • インターネット広告《個人ビジネスオススメ★★★★★
    インターネット広告は最近伸びている広告です。
    ポータルサイトなどに表示するバナー広告や、検索エンジンで特定のキーワードが検索された時に、検索結果に表示される検索連動型広告があります。
    メリットは、検索した時に表示されるなど双方向性が高く、低コストであることです。

 

⑤広告の評価
媒体を選択したら、広告のタイミングを決定し、広告を掲載します。

その後、広告の効果を評価することが重要です。
広告の評価には、『接触効果』『心理効果』『売上効果』という3つの段階があります。

 

 

インターネット広告の手法

 

近年の広告費については、マスコミ4媒体が減少し、インターネット広告費が伸びるという状況が続いています。
2009年には、インターネット広告費は新聞広告費を上回り、テレビ広告費に次ぐ規模となり、2020年にはテレビ広告費を抜き、ついにインターネット広告費はトップとなりました。

このようにインターネット広告の重要性は増しています。
また、インターネット広告の場合は、日々、新しい手法が登場してきます。
ここでは代表的なインターネットを使った広告、プロモーションを紹介します。

 

◇検索連動型広告《個人ビジネスおすすめ度★★★
GoogleやYahooなど検索エンジンでキーワード検索した時に、検索結果画面(上や右の枠など)に表示される広告です。

広告がクリックされるたびに、広告主に費用が課金されます。(表示だけでは費用がかからない)
1クリックあたりの費用は入札によって決められます。よって、人気があるキーワードはクリック単価が高騰し、そうでないキーワードは安くなります。
入札金額が高い広告主の広告が、検索画面の上部など優先的に表示されます。

キーワードでターゲットを絞りやすく、費用対効果が算出しやすい特徴があります。

 

◇アフィリエイト・プログラム《個人ビジネスおすすめ度★★☆
アフィリエイトは、「提携」という意味で、ある人が紹介した商品などが売れると、成果報酬(紹介料)を支払う広告形態です。
紹介する人は「アフィリエイター」と呼ばれ、自分のWebサイトやブログに、広告主の商品の広告(広告主の紹介ページリンクなど)を掲載します。
そのWebサイトやブログを訪問した第3者が、広告をクリックし、対象商品を購入した場合などに、成果報酬が発生します。

 

◇SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)
《個人ビジネスおすすめ度★☆☆》(大企業と同じ土俵で戦うにはかなり不利)
検索エンジンで検索した時に、検索結果画面に自社のWebサイトが上位に表示されるようにすることです。

インターネット広告と違い、検索結果の順位は直接コントロールできません。
検索順位はGoogleなどの検索エンジンが特定のアルゴリズムで決定しています。

企業にとっては、検索結果の上位(特に1ページ目)に表示されるかは重要なため、検索エンジンの特性を分析して、上位に表示されるように自社Webサイトを改良するなどの検索エンジン最適化が行われています。
また、こういった改良を専門で行う業者(SEO業者)も増えています。

 

◇SNS広告《個人ビジネスおすすめ度★★★
SNSの閲覧ページなどに掲載する広告。

SNS

スマートフォンやタブレットの普及により、TwitterやFacebookといったSNSからの情報収集は、人々の生活に欠かせないものになりました。
そこで注目を浴びているのが、SNSを使って自社の商品やブランドを宣伝する「SNS広告」と呼ばれるものです。

ユーザーのプロフィール情報を元にした精度の高いターゲティングや、リスティング広告やリターゲティング広告ではリーチしづらい潜在層へ効果的にアプローチできるのが、SNS広告の魅力です。

 

 

販売促進

 

販売促進は、プロモーションミックスの中では、プッシュ戦略に分類されます。

販売促進の目的

販売促進は、消費者や流通業者の工場いい速を高めるための短期的なプロモーションです。
販売促進では、購入へのインセンティブを付与することで、販売を促進します。

販売促進の種類

  • 消費者向け
  • 流通業者向け
  • 社内向け

 

消費者向け販売促進

◇サンプル
製品の試験版を無償で提供するものです。
これにより、新製品を知ってもらい、需要を拡大することが狙いです。
例えば、食料品の試食や化粧品のサンプルなどがあります。

◇プレミアム
景品など、製品とは別の物品や便益を消費者に付与するものです。
例えば、製品を購入するとおまけがついてきたり、クーポン券がもらえたりする場合がありますが、これらを総称してプレミアムと呼びます。
また、懸賞などもプレミアムに含まれます。
プレミアムは製品の購入意欲を高めることが狙いです。

◇ポイントカード
消費者の購入金額に応じてポイントが加算され、蓄積されたポイントで割引などを実施するものです。
例えば、家電量販店のポイントカードなどがあります。

◇会員カード
会員になると有利な価格で購入できるなどの特典が得られるカードです。
会員カードは様々な店舗で見られますが、顧客を囲い込むことが狙いです。

◇POP広告
小売店舗の店舗に展示する広告です。
よく、小売店舗では、商品の前にコメントが書かれたカードがあると思いますが、それがPOP広告です。
りなみに、POP広告とはPoint of Purchaseの略で、購買時点の広告という意味です。

◇カタログ
製品の説明が記載されたものです。
カタログは、販売員がいなくても、商品説明ができるツールです。

第10話の 次回予告

令和の最新マーケティング手法

〜時代に乗り遅れないための近代的マーケティングとは〜